夏の始まり

昨日の東京は蒸し暑かった。

KAIKIのライブを観に行った。
彼はウクレレを演奏しながら歌うアーティストだ。

去年も彼は同じイベントに出演していて、2年連続の出演だ。

一人で聴きに行こうと思っていたら栗山健一から連絡が入った。
現地で待ち合わせをすると、東京で知り合った山下歩も来た。

そういえば去年もこのメンバーで観た。
去年と同じ日に同じ場所で。恋愛映画の始まりかと思ったが残念。

KAIKIが登場する。
その時、ステージの方からものすごく心地のいい柔らかい風が吹いた。

八丈島

KAIKIと僕の出会いは『YOLO』のMVの撮影だ。
プロデューサーとカメラマン。それにKAIKIと僕。
同い年の男達たった4人で八丈島に撮影に行った。

もう本当に楽しかった。
景色を見ながらKAIKIが即興でウクレレを鳴らす。

八丈富士に登る。
日の出を狙っての撮影だが、僕らはなめていた。

水を持ってきていない、明かりもない。
聞こえるのは動物と虫の鳴き声だけ。
しかも聞いていた話と全然違う。登れど登れど辿り着かない。

ハッキリ言って僕は死を感じたが、誰も後戻りはしなかった。

MVの最後に登場する日の出はすごかった。

一瞬も目が離せなかった。
ジリジリジリと、真っ赤な太陽が水平線から顔を出す姿に僕は声も出なかったし身体も動かなかった。

しかしそれはただの疲労だったかも知れない。
あっという間にいつも見るギンギンの太陽になった。
僕らの体力は登りでほとんど使い切っており、足を震わせながら下山した。

ほとんどの会話は「痛い」「ヤバい」「辛い」

去年はそんな夏の始まりだった。

そしてKAIKIの季節がやってきた。