長村(以下O)「ペン忘れた、貸して!」

小山(以下Y)Y「ほい。」

O「お、ホテルニューオータニのロゴ入りだ。」

Y「そう、バイトしてたの。」

O「どんなことしてたの?」

Y「なんかホテル入った時に『はい、荷物運びますよ~』って人いるじゃん?あれ。」

O「ベルボーイだっけ?」

Y「ベルガール!」

O「え?」

Y「私ガールだから!(笑)」

Flight Attendant
小山由佳 (Yoshika Oyama)

スイスでハイジに

Y「10歳から11歳までの1年間はイギリスにいて。」

O「両親の仕事とかで?」

Y「留学!なんかよく分からないけど、行くことがいつの間にか決まってた。」

O「運命がそうさせたってこと!?(笑)」

Y「なわけ!(笑)母親が行きなよって感じだったから『あ、オッケー!』みたいな。素直に。小さい時って嫌とかそういう気持ちも別にないじゃん?」

O「そうね。でもすごい。1年でペラペラ喋れるように。」

Y「もっとすごいのは、日本語忘れて帰ってきちゃったんだよ!」

O「大和魂!」

Y「さすがにまずいってなった。自分の名前も書けなかったの(笑)」

O「どんだけぇ~!」

Y「海外で吸収しまくった!(笑)」

O「でも英語の時間とかめっちゃ褒められて鼻が高かったんじゃない?」

Y「それはなんか子供ながらに小っ恥ずかしかったよ。唯一日本語で覚えていた単語が『大丈夫』で。なんかあったらとにかく『OK、大丈夫!』って。それでマジで口数少なくなった(笑)」

O「切ない(笑)」

Y「高校はスイスの学校に3年間行ってたんだけど、本当にハイジみたいな生活だったの。山の麓に住んで。羊もいて。すごく良かったよ。性格もおおらかになったし、ストレスが何もなかった。」

O「アメリカンスクール的なイメージ?」

Y「『海外の大学行きたかったら行けるし、日本に戻りたかったら戻れるよ!』みたいな学校にいて。日本人がいないようなところ行くと、また日本語忘れちゃう!と思って。」

O「母国なんでお願いしますよ。」

Y「スイスではさ、皆寮に住んでたんだけど。山の中だし、とにかくやることがなくて。デートとかもひたすら歩いて山登って景色見るみたいな(笑)」

O「可愛い!」

Y「雪の時なんか2人でモコモコの着て行くからもっと可愛いよ。ずっとお喋りしてさ。」

就活 海外と日本の違い

O「CAになるって決めたのはいつ?」

Y「たしか高校生の時?」

O「それはスイスにいた頃になるのかな。」

Y「そうね。憧れもあったけど、1番は人と話すことが好きだったから。飛行機の中って12時間とか過ごすじゃん。そんな中で問題が起きたら私たちしか対処する人がいなくて、責任もあるしカッコいいし、面白そうだなって。『全ては飛行機の中で解決する!』みたいな。」

O「ドラマか何かで聞いたことあるような、ないようなセリフ!(笑)」

Y「だってじゃないと、大変なことになっちゃうかもしれないでしょ?」

O「それって普通に募集が出るの?」

Y「スイス航空が10年ぶりに募集やってて。あとはエアラインスクールっていうCA専門の学校に通って学んでからっていうパターンも。」

O「あ、それはテレビで観たことあるぞ。」

Y「日本と海外の航空会社の就職の仕方って全然違うの。日本の会社だと就活のタイミングでの募集で4月から採用っていう感じ。海外の航空会社は、募集がいつ出るか分からないの。
O「そうなんだ!」

Y「だから行きたい会社があっても、就職活動中に募集が出てなかったりするのね。私も色々受けてたんだけど、いくつも落ちちゃったりしてて。そんな中で焦ってた時に、10年ぶりにスイスの航空会社が募集出てて。私高校はスイスにいたし『これはいいじゃん!』って。」

O「ナイスタイミング!」

Y「そう!ほんとに。」

O「面接はスイスまで?」

Y「それは日本だよ。スイスの人たちが日本まできて面接してくれるの。あ、そう。ここで小話があるんだけど!」

急に小話!

Y「スイスから人事の人たちが10人ちょっと来るのね。場所は東京の赤坂。」

O「赤坂ってだけで脇に汗が!」

Y「最初に話したけど、ホテルニューオータニでバイトしてたから馴染みがあって。面接の前の日も働いてたの。」

O「うんうん。」

Y「で、面接が赤坂ってことは?『じゃあもしかしてこのホテルに泊まってんじゃね!?』ってなって。海外からのお客さんも多いからね。それで色々聞いてたら、スイス航空の人たち全員泊まってたの!」

O「名推理!」

Y「それで次の日面接に行って、自分が高校時代スイスで過ごしていた話とかして。一通り話した後に「実は私、あなた達が宿泊しているところで働いていますよ!」って言ったの。」

O「え、ホラーなんだけど!(笑)」

Y「そんな驚かせるような言い方してないから!(笑)皆明るくて「えー!マジか!」みたいになったのね。」

O「良かった。」

Y「また次の日とかもバイトしてて、着物でお出迎えするみたいな仕事があるんだけど。そしたらそこに来て向こうが見つけてくれたの。『あー!昨日のあなたね!着物も着れるのねえ。』みたいな話して。それで1000人受けてたんだけど、そのうちの16人に残れて。」

O「すごい!」

Y「人事の人たちの記憶に残ったのが大きかったのかな。英語は面接受けた人たち皆話せるだろうし。それが本当にラッキーだったなぁ。」

O「日本でそんな思い出ができたら『その人にしよう!』ってなるかもね。言ってみるもんだ!」

Y「そうそう。『あの子着物着てたなぁ。』みたいな。多分それで受かった!(笑)」

急にクイズも始まります

O「決まってからは『みなさーん!スイスに集合お願いしまーす!』ってなるの?」

Y「仕事は基本的に成田からなんだけど、研修はスイスのチューリッヒってところに行ったよ。みっちりトレーニング!」

O「どんなことするの?」

Y「あ、じゃあここで問題です!」

O「はい!」

Y「飛行機が緊急着陸した場合に1番生き残る可能性が高いのはどこでしょうか!」

O「むむ。」

Y「1 氷河。2 砂漠。3 アマゾン。4 海。」

O「アマゾンは良さそうじゃない?落ちたとしても木がふわっと守ってくれるかも!」

Y「木がふわっととか無し!「その時」じゃなくてそのあと数日は過ごすってことで考えて。」

O「海も『あそこ見て!島ありますやん!』って奇跡があるかも。」

Y「『じゃあ泳いじゃおう!』も無し!見渡す限り水平線っていう絶望的な設定で。」

O「氷河は吹雪とかで凍えちゃう。顔も痛い。」

Y「でもそうしたら飛行機の中に逃げられるよ!」

O「あ、結構ヒントくれる感じ?(笑)」

Y「…」

O「海もダメだと思う!喉が渇いても海水飲んだらダメって聞くし。」

Y「しかも、しょっぱい。」

O「おぇ。」

Y「一番生き残りやすのは簡単かも!」

O「アマゾンは大丈夫!」

Y「正解!水分もあるし、お腹が空いたら虫とか食べて生き延びます。」

O「砂漠は一番ダメそう…」

Y「そう、砂漠は一番危険!昼は暑いけど夜は寒いの。だから陽が沈んでいる間に水分探しに行って、また太陽が昇って来たら飛行機の影とかで過ごして。」

O「海もダメでしょ?」

Y「飛行機から脱出する、すべり台分かる?あれってボートにもなるのね。その中に海水を飲み水に変えるやつがあったり、サバイバルグッズが入ってたりするよ。」

O「安心して飛行機に乗れます!」

Y「普段は機内で食事出したり飲み物出したりするだけだけど、そういう危険があった時の知識や訓練も皆勉強してから現場に出るんだよ。」

O「現場に出てみて、何か面白かった思い出とかある?」

Y「前にウィーンの音楽隊が乗ってたんだけど、いきなり機内で楽器出し始めてミニコンサートみたいになったのね。確かその時はパーサー(サービス責任者)と仲良くなって、みたいな流れで始めたんだと思うけど。」

O「贅沢!」

Y「それで『パイロットにも聴かせたいね』ってなって、電話みたいなやつで繋げて楽しんでもらって。それはすごく素敵だったなぁ。」

人と人で仕事していたい

O「今の生活はどんな感じ?」

Y「月3回くらいフライトがあって、朝10時に空港行って。4人が日本人で、6人がスイス人。で、それぞれの担当に分かれて『行って来ます!』って感じで。」

O「役割分担みたいなのはどうやって決まるの?」

Y「スイス人はファーストクラスまでできるんだけど、日本人はエコノミーかビジネスのどちらかで。」

O「日本人はファーストクラスできないの?」

Y「ね、私もやってみたいなって思うんだけど。」

O「そりゃそうだよなぁ。」

Y「でも?私みたいに?向上心のある人は?それじゃ物足りないじゃん?」

O「(爆笑)」

Y「一つCAになるっていう目標は叶えたから、今はある程度働いたその先のことを考え始めてる。」

O「その向上心のある小山さんは?どんなこと考えてるの?」

Y「今って20代の前半でさ。一番チャレンジしたい時じゃん?もちろん家族ができて子供ができて仕事と両立したいってなった時に、こうやって働けるのは1番良いことなんだけど。でもこのチャレンジ精神旺盛な今、何ができるんだろうって考えてる。」

O「うん。」

Y「最終的にはやっぱり人と人で仕事していたいな。」

O「話すことが好きって言ってたしね。CAから転職する人ってどんな仕事が多いの?」

Y「マナー講師とか。あとはホテルの仕事とかね。でもとりあえず今はどっかに移住したいな。そこの国の仕事に就いてみる。」

O「うおー。」

Y「でもね、日本だと転職して新しい会社で働きながら学ぶってことがあるけど、海外での就職は違って、経験重視。そうなると私今の仕事以外は経験0だからさ。いっぱい自分を売っていかないと。」

O「じゃあそういう下積みも込みで『もうどっか移住してしまおう!』って感じなんだ。」

Y「それもある。それで運良くどこかが人間性で買ってくれないかなって。」

O「狭い世界で生きてる俺からすると、もうそれは奇跡に近い話だなぁ。」

Y「日本であーだこーだやってても仕方ないから、二週間くらい行ってがっつり、履歴書100枚でも200枚でも書いて直談判しに行ってもいいなぁ。」

O「痺れるぜ!(笑)」

Y「あ、でもこれ書かれるの嫌だ!」

O「なんで、めっちゃかっこいいのに。」

Y「だって挑戦してきてダメだったら恥ずかしいし!(笑)」

O「それもまたきっと人生!国は決めてるの?」

Y「どこ行っても楽しいだろうけど。んー、シンガポールとか?」

O「マーライオン!」

Y「日本から近いし、英語も話す国だから。それに綺麗だしすごく住みやすいよ。」

自分のことを決められるのは誰でもない

Y「『今後のキャリア』っていうのを少し考え出した時に面白いなって思ったことがあるんだけど。」

O「なに?」

Y「自分のことを決めるのって自分じゃん?学校行ってた頃は『宿題やってきて下さい』『テスト受けて下さい』『もうすぐ卒業です』って課題とか期限を与えてくれるから楽チンじゃん。」

O「うん。」

Y「でも社会人になったら全部決めるの自分だし。自分で積み重ねていかないと何にもならないし。」

O「1日ゲームしてたって誰にも怒られないしね(笑)」

Y「そうそう。手の抜き具合も力の入れ方も全部自分次第。日付決めて『この日までは頑張れ自分!』って言えるのも自分しかいないし。これが大人になるってことなのかな?って思った。」

第二の思春期

Y「25歳って私が勝手に『第二の思春期』って言ってるんだけど。」

O「思春期。」

Y「それこそ大学進学とか就活とか。あれって子供から大人になるってことで悩むでしょ?で、今は大学卒業して25歳になったけど、まだ大学生気分引きずってるところあるし。そんな気分もありつつ大人として社会に出ていかないといけないし。」

O「うん。」

Y「でもこれって皆気付くの。『25歳か!ちゃんとしなきゃ!』これが第二の思春期。」

O「けど早いよなぁ、それが分かって行動を始めるの。」

Y「え?じゃあまだ子供でもいい?」

O「ここネバーランドじゃないっす。日本です。」

Y「でも人生1回だなって思ったら逆に焦る!今やらなきゃいつやるの?」

O「今でしょ!って古い?(笑)」

Y「じゃあ今やりたいことやらなきゃ!」

O「そうだね。」

Y「それでまずはCAになるっていう夢は叶えたし。次せっかく新しく何かを目指すなら、思いっきりやりたい。『明日あなた死にます』ってなったら何でもやるじゃん。人間って多分。だったら私は何でもやるときはそういう気持ちでやるぞ!っていうのがあった。」

O「あれ、俺今座ってていいのかな。」

Y「立っても一緒だから座りな!(笑)」

世界夕日ランキング

O「じゃあここで質問です!俺夕日を見るのにハマってるんだけど、世界夕日ランキング1位はどこだった?」

Y「緯度の高いところが綺麗!全部ピンクみたいな!」

O「ピンク?」

Y「なんでそうなるかって仕組みは分からないんだけど。ロシアとかスイスはすごく綺麗だよ。日本だと北海道とかかなぁ。」

O「スイス行ってみたい。」

Y「是非是非」

O「スイス航空を使ってね。あ、なんかまんまと営業されてしまったぞ!」

Y「アハハ。」

O「いやぁ、海外行きたいなぁ。」

Y「外に出て色んなことを知ればきっと選択の幅も広がるよ。知ってから初めて『こっちがいい』『あっちがいい』って基準ができてくる気がする。」

スイスの夕日 加工なし!
photo Yoshika Oyama

小山由佳 1993/12/21(25)愛知県出身

【instagram】
https://www.instagram.com/yoshika________/

【スイス インターナショナル エアラインズ】
https://followmyday.swiss.com/en/to/tokyo