いつでも気軽に連絡を取り合えるし、会わなくても情報を共有できる時代。
携帯電話がなかった頃に比べると便利だし、縁が無限に広がったんだと思う。

そんな時代に約束もせず、たまたま何度もバッタリも会った先輩がいた。
テレビ局で、道で、撮影スタジオで。
顔を合わせる度に、話をする度にこのアナログな出会いを大切にしたいと思った。
今この時代だからこそ大切にしてみてもいいんじゃないか、とも思った。
僕たちが共通して好きな映画作りを通して、何か形に残したい。
この今っぽくない変な縁が、きっとまた素敵な出会いを教えてくれるはず。

今回は二人がたまたま会った場所の一部を改めて巡り振り返りました。
お時間あれば是非最後までご覧ください。
現在は監督をして下さる方、脚本を書いて下さる方を探しています。
少しでも興味を持って頂けましたら是非、CONTACTよりお問い合わせ下さい。
1から映画作りをしたことがないので、色々とアドバイスを頂ければ嬉しいです。

PROFILE

森優作 Yusaku Mori
1989年12月4日 大阪府出身
《代表作》
映画『野火』
連続テレビ小説『べっぴんさん』
連続テレビ小説『半分、青い』
映画『蜜蜂と遠雷』

長村 航希 Koki Osamura
1994年1月17日 愛知県出身
《代表作》
NHKスペシャル『詐欺の子』
NTV『ゆとりですがなにか』
NHK『ピュア! 〜一日アイドル署長の事件簿〜』 
映画『闇金ドッグス9』 

代々木八幡

オーディション。
呼ばれたのは二人だけだった。
自分ともう一人、見たことある顔、名前。
友達からよく聞く”おさむらい”というのはこの人か。
白いTシャツ似合うな。
背同じくらいなのかな。
オーディション終わって話しかけた。
『変な感じのオーディションでしたね。』
『あ、はい。』
結局そのオーディションは自分だけが受かった。
長村航希 初対見。

僕はとある作品のオーディション会場にいた。
早めに着いたのでベンチに座って待っていると、エレベーターから男が現れた。
キョロキョロしていたので声をかけた。
『あっちだと思います。』
『あ、は、ありがとうございます。』
これが最初の会話だったと思う。
森優作という名前だった。
聞いたことあるような、ないような。
『こないだ優作くんとオーディション一緒だったらしいね!』
友達にそう言われて初めて認識することができた。
あの人が優作くんか。
長村

大泉学園

とある現場。
長村くんがいた。
出演しないシーンの見学に来てた。(一緒の作品をやっていた。)
『久しぶりっす。』
『見に来ました。頑張ってください。』
うわ、頑張って下さいってなんだよ。
と思った。ま、いいや。
その日の現場終わり楽屋で少し話した。
あれ?話せるぞ。
そんなことを思った覚えがある。

それからしばらくして、新しい作品に入った。
台本には優作くんの名前もあった。
自分が出るパートの撮影初日。
その日は出番がなかったけど見学に行った。
楽屋挨拶に行くと、優作くんは衣装に着替えて準備をしていた。
『どうも、お久しぶりです。』
『あぁ長村くん、お久しぶりです。』
『覗きに来ました。頑張ってください。』
僕は現場のモニター越しに初めて優作くんの演技を見た。
イラついている主人公の前で、質素な弁当をパクパク食べている。
ずっと見ていられて面白かったし、すごい人だなと思った。
すぐ好きになって、撮影が終わってから少し喋った。
長村

中目黒

先輩と歩いていたら、すごい大荷物の長村くんが歩いてきた。
『長村くん!』
『あ、うわ!』
『あの引越しで!』
みたいなことを言われ、そそくさとまた歩いていった。
顔が赤かった。
不機嫌そうだった。
怒ったら怖そうだなと思った。

線路沿いの道を歩いていると声がした。
『あ、長村くん。』
顔を上げると、優作くんがいた。
『うわぁ!なにしてるんですかぁ!』
と言ってみたものの、この日僕はとっても落ち込んでいた。
そんなタイミングだったので急いでいるフリをした。
『またどこかで』
と言って別れた。
長村

恵比寿

舞台稽古の帰り、辛くて精神がやられていた。
ふと前を見たら長村くんが歩いていた。
すぐ声をかけた。
とぼとぼ渋谷の駅まで歩いて、そのあと別れるか別れないかのところで茶に誘ってみた。
というか付き合ってもらった感覚がある。
カフェでお互いの現状を話したり、サッカーゲームを好きなことがわかりすぐに勝負したりした。
おごってくれた。
また会えると思った。
連絡先を聞くことは考えなかった。

なんとまた、優作くんと会った。
中目黒での『長村不機嫌事件』を僕は謝りたかったので、どうでもいい買い物の予定をすっ飛ばして一緒に歩いた。
『どっか寄っていきますか。』
『いいですね!』
オススメの場所があると言う。
それは地下にある静かな喫茶店だった。
聞いたらお酒はあまり飲まないらしい。
初めて向かい合って座り、色んな話をした。
サッカーのゲームをお互いやっていることを知って
僕たちはIDを交換して、晴れてフレンドになった。
連絡先は交換しなかった。
また会う気がするから。
多分お互いにそうだったんだと思う。
長村

調布

オーディションに向かっていた。
スタジオに長村くんがいた。
聞くと自分が受けるオーディションの作品に長村くんが出るらしい。
結局自分は受からずだった。

それから半年くらい、夜中にサッカーのゲームで対戦する『フレンド』になっていた。
調布にある撮影スタジオでリハーサルを終えて外に出ると、また優作くんに会った。
『よく会いますね』と笑った。
その日からちょこちょこメールをするようになっていた。一通送って二日空いて返信。
優作くん、返信遅すぎ!
長村

下北沢

もう連絡先は交換していてやり取りをし、会うことになった。
メールでも調布以降、一緒に作品何かやりたいですねと何回か言っていた気がする。
カフェで会った。
言葉じゃないところをすごく知っているし、知ろうとしている人だなと思った。
確かな瞬間を感じた日だった。
一緒に何かやるな。そう思った。

初めて『たまたま』ではなく『約束して』をして会った。
『もし』何かをやるならどんなことをしてみたいか。
どんなテーマに興味があるか。
ものすごく楽しかった。
こんなに素直に話せる人と、一緒に作品をやってみたい。
長村

挑戦したいこと

大阪から名古屋を繋ぐ近鉄線を舞台にした作品。

森は大阪、長村は名古屋で育った。
近鉄線は身近だったし、二人の地元を繋ぐ線に改めて縁を感じた。
地方都市の雰囲気は、二人にとって懐かしい。

遠回りしながらゆっくりと、都会でも田舎でもない道を行く近鉄線。
子供の頃は車両の色も地味だし遅いし、あまり魅力を感じていなかった。
でも地元を出て十数年。
遠回りだって遅くたって、それでも前に進み続けている近鉄線が力強く感じた。

大人になってからそうやって都合よく見方を変えて、あの電車が許してくれるかはわからない。
でもそうやって希望をくれた近鉄線を舞台にしたい。

そうして完成したものが、他の誰かの希望になるような作品にしたい。